第6回 Asia Group NextStar
Challenge Cup
オリムピックナショナルGC EAST
桑山 紗月
Prologue
JCLO立ち上げ時から協賛していただいているアジアホールディングス主催のツアー。今年で6回目を数える伝統的な大会。昨年は、優勝した坂井留奈のhole in oneが飛び出した。今年はどんなドラマが待っているか。。。。
Highlight
12月にはいり、2021年もいよいよ大詰め。 ジャパンサーキットレディース2021最終戦、第6回Asia-G NextStarChallengeCupが恒例の埼玉県オリムピックナショナルゴルフ倶楽部EASTコースで行われた。
毎年12月特有の強い北風が吹き気温以下に感じる体感温度の中での試合となり、アンダーパーが出にくく1打が優勝を左右する接戦となるこの試合、今年は天気こそ曇天で気温は低いものの、風がほとんど無い中でのプレーとなって、ビッグスコアが記録されそうな予感の中、10組37名の選手たちがフロントナインのオーキッドコースに飛び出していった。
オーキッド1番ホール、幸先よくバーディスタートを切ったのは田村、播磨、長田、西山、大村そして、第4回大会で5アンダーをたたき出してダントツの優勝をした石川。 底冷えするような寒さを吹き飛ばすような熱いバーディ合戦を期待したいところではあるが、各選手バーディをとってはボギー、ボギーをたたいたもののバーディで巻き返しと、一進一退のスコアが続く。
午前中のオーキッドコースを終わってのスコアは、第1組から柏原が2バーディノーボギーの2アンダーで通過、それを追って第4組の熊倉、林が1アンダー、さらに第5組のアマチュア登録リンが大健闘の3バーディ1ボギーと柏原に同じ2アンダー、後続組では第9組石川が2番ホールでダブルボギーを喫したものの3バーディを奪い1アンダーとしてバックナインのエーデルワイスコースに入っていく。
昼をまわっても気温は上がらず相変わらずの曇天模様。
やはり寒さが影響したのか、エーデルワイスのスタートホールパー4では誰ひとりバーディをとることができない。
そんなバックナインを象徴するかのように、好調だったリンがスタートから3連続ボギーで貯金をはきだすと、熊倉、石川もボギーが先行して優勝争いから一歩後退する。
そんな中、スタートホールでボギーが先行するもすかさずバウンスバックでスコアを戻した林が、2アンダーをキープしたまま試合をけん引するが、6番ホールで痛恨のボギーを叩き1アンダーとしてしまうと、フロントナインをイーブンパーでまとめ4番までノーボギーできていた大村が5番、6番と連続バーディを奪い2アンダーと一歩抜け出す。
最終盤、第4組スタートの林が1アンダー71でホールアウトして後続組を待つ。 後続は2アンダーに大村、そしてここまで大きくスコアを動かすことなく静かに上位にい続けた1アンダーの桑山。 フィールドに残るのは3組時点で、優勝争いはこの3人にほぼ絞られた。 まず、第8組スタートの大村が最終ホールをボギーとしてしまい、この時点で1アンダーに二人が並び、あとは最終組の桑山が残り2ホールのうちどちらかでバーディをとれれば桑山の優勝という場面ではあったが、残念ながら2ホールともパーとしてしまい、3人による今シーズン4回目となるプレーオフが行われることになった。
プレーオフはティイングエリアがクラブハウスから最も近いエーデルワイス7番パー4で行われた。
ティショットは3人ともフェアウェイをキープ。
セカンドは林、桑山、大村の順に、やはり3人ともグリーンをヒットし、勝負はグリーン上へ。
やや打ち上げのためセカンド地点からは見えなかったが、林の一打はカップまで約1.5mのナイスショット。
ほかの二人は大村約8m、桑山約4mと、ここまでは林が断然優位だ。
グリーン上まずは大村のバーディパット。 素晴らしいタッチで放たれた1打はカップに向かうが惜しくもカップ左脇に止まり、大村がお先にパットでまずはパーとする。 続いて桑山。 カップまではおよそ4m、大村とほぼ同じラインで参考になった桑山は、ここでギアをあげたのかピンフラッグを抜いた 確かなタッチで放たれたボールは滑るようにグリーンを転がりカップイン! 続いて桑山が小さくガッツポーズ。 桑山がバーディを奪い、林がバーディパットを沈めても桑山と同スコアになり、規定により同スコアの場合エーデルワイス9番からのカウントバックで桑山の優勝が決定した。
勝利後、桑山に「最後のパットは意地で決めた?」と聞いたところ、「はい意地でした! 林さんは絶対入れてくると思っていたので、沈めればカウントバックで勝ちだとわかっていましたから」との答えが返ってきた。
全8戦中4戦がプレーオフとなった2021シーズンを締めくくる素晴らしい試合となった最終戦。
コロナ禍の中今年も最終戦を支援いただいたアジアホールディングス関係者皆様の前で熱い戦いを繰り広げた選手たちに改めて称賛の拍手を送りたい。